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コラム

離婚問題

調停委員との付き合い方

調停委員

よく知られたことですが、裁判所では離婚事件は、まず、調停をしなければなりません。「調停前置主義」と言って、調停を経てからでないと、離婚訴訟を提起できないのです。

この調停というのがなかなかくせものです。まず、調停というのは「話し合いの場」です。そのこと自体は悪くないのですが、話し合いというのは仕切る人間がちゃんと仕切らなくてはなりません。調停を仕切るのはだれかというと、多くの場合、調停委員です。

調停は「調停委員会」がおこないます。調停委員会は、調停委員二名と、裁判官、または調停官(弁護士)の3名で構成されています。

ですが、裁判官・調停官が、毎回、調停期日にでてくるわけではない、というか、彼らはほとんど出てきません。でてくるのはいよいよ煮詰まった時だけです。9割方、調停は調停委員が進めます。

調停委員の特徴としては、普通の中高年の女性と男性です。中にはかなり高齢の方もいらっしゃいます。

調停委員と当事者の相性や、調停委員の御性格とか、そのあたりで調停の雰囲気はだいぶ変わってきます。これはとても難しい問題です。建前としては、調停委員は中立です。どちらの味方もしませんし、公平にお話を伺いますよ。ということになっています。

そして多くの方は、少なくとも、公平であろうという努力はしてくださっている。だけど、調停委員だって、人間です。自分のものの見方、というものから離れるのはなかなか難しい。

正直に書きますと、上記のとおり調停委員は高齢の方です。その時代の男性が、20代、30代のとき、どれだけ子育てをしていたでしょうか?モーレツ社員で、土日はゴルフという生活だった方もかなりいます。

なのでこういう男性調停員は「子育てはお母さんがやってるんでしょ。お父さんは仕事で家にはいないのでしょ?お父さん、できてないでしょ?」「だから子供と一緒に住むのも、親権も母親。」「お父さん、子どもと会うのは月一回で十分でしょう?」などと考えがちです。あたまでは、最近のお父さんはそうではない、育児を奥さん任せにしていない、というのは判っていても、実際自分がしてきたことというのは身に沁みついていますので、なかなか、この発想から抜けられないのです。

また女性の調停委員も、ご自身が苦労して子育てなどをされた経験があるからでしょうか、かなり女性寄りの方もいます。女性側が「夫から生活費を貰っていないんです」などというと、もう頭から信じ込み、男性側がいや、ローンも水道光熱費も、マンション管理費も車のローンも子どもの塾代も、妻子の携帯代も自分が払ってるし、と説明しても、「でも払ってないんですよねえ」などとおっしゃる方もいます。

こういう時にどうしたらいいのか。

これは大変な難問で、おそらく、一律に適用できる正解はないのですが、最低限、調停委員と喧嘩しないことを強くお勧めします。誰でもそうですが「それは違う」と言われるとムッとするものです。調停委員の中にはムッとすると露骨に態度を変える人がいます。こういう方も調停委員会の一員なので、敵に回してはいけません。

また、調停委員が出してほしいという資料はなるべく頑張って集めて提出してください。なぜそんなのがいるのかと思うようなものも、時には出せと言われますが、資料を出せと彼らが言うときにはきちんと裁判官と協議してから指示を出していることが多いです。なので裁判官の心証をよくしておくというためにも、出した方がいい。

あと、覚えておいていただきたいのは、最終的には調停委員には、強制力はないということです。調停を成立させるにせよ、不成立にするにせよ、最後は裁判官、調停官のご判断です。時々、弁護士をつけないで調停をやった後に、「本当は納得していなかったんですけど、こういう結果になってしまいました。」という方がいらっしゃいます。

しかし、納得していなかったら断ることはできるんです。そして、調停が成立してしまうと、それをひっくり返すのはかなり困難です。調停調書は判決と同じ効力を持つためです。

まあ、ご自身で調停をやって、どうにもこうにも調停委員と相性が合わない、というのであれば、取り下げるのもありです。取り下げて少ししてからまた申し立てれば今度は違う調停委員になることの方が、多いですからね。ただ、それも時間も労力もかかります。

ご自身で太刀打ちできないと思ったら、弁護士に頼んだ方がいいこともあります。ですが、途中から調停に入る弁護士としては、どうせならなるべく早い段階で頼んでほしいというのも確かです。追い詰められてにっちもさっちもいかなくなってから、挽回を図るのはそこそこ厄介です。

大事なことは、調停委員と喧嘩しないことです。調停委員は、何とかして味方につけるべき相手です。ともかく、できる限り、喧嘩しないでください。彼らと喧嘩して、良いことは何もありません。たとえその場では言い負かしたとしても、彼らのあなたへの心証はますます悪くなり、それは調停全体に、大きな悪影響を与えてしまうことになります。

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