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コラム

離婚問題

娘/息子の離婚に口を出さない

娘/息子の離婚に口を出さない

時々、30代、40代の離婚の相談者さんに、親御さんが同行されることがあります。だいたい、もう、60過ぎの、ご高齢の親御さんです。
ご本人が、ご病気、とくに精神的な疾患をお持ちで、それが深刻である、というなら、まあ、親御さんが心配になるのは判ります。いくつになっても、子どもは子どもですからね。

ですが、そうでもないのに、これくらいの歳の相談者ご本人に、親御さんが同行されると、率直に申し上げて、弁護士としては警戒します。

ひとつは、親御さんがいると、ご本人が本当に率直なご自身の気持ちを言えない、というケースが多々あるからです。
例えば性生活の不一致とか、子といえども、親には言えないことがたくさんあります。
また、特にご本人が男性の場合「ぶっちゃけ、自分はあんまり親権こだわってないんだけど、自分の親が親権にこだわっているんで、、、、」という場合があります。こういう場合も、親御さんが隣にいると、ご本人は弁護士に本音を言えない。これは、弁護士としてはとても困ります。

次に、弁護士が説明義務を負うのは、基本的にはご本人に対してのみ、です。親御さんには、説明責任がありません。たとえ親御さんが弁護士費用を出していても、です。
しかし、同行してくる親御さんは、えてして、契約後、事件が進んで、弁護士がご本人とやり取りをしているさなかに、弁護士に対して「先生、うちの子の離婚、どうなってるんですか」と聞いてくることが多い。
これには、我々は答えられません。まず、弁護士はご本人に対して、守秘義務があります。一度契約すれば、親御さんと言えども他人です。なので、親御さんが電話をかけてきて「どうなってるんですか」と聞かれてもそうそう簡単には、お答えできないのです。
また、仮にお答えした場合、親御さんがご本人に「先生がこんなふうに言っていた」と言い、ご本人が「えっ、そんな話は聞いてないよ」となる、つまりミスコミュニケーションが生じる恐れがあります。そうなると、非常にややこしいですし、ご本人との信頼関係にも影響が生じます。なので、弁護士としては困るのです。弁護士は、事件に関するやり取りの窓口は、ご本人に一本化したいのです。

大切な我が子、という思いは、わかります。しかし、我が子といえども、成人すれば立派な大人です。その人には、その人の人生があり、それは、ご本人が、自己決定されるべき問題です。我が子だけれども、子どもの人生は自分の人生ではない、自分と子どもは違う人格なのだ、ということは、親御さんは頭ではわかっています。しかしそれでもつい、手を出し、口を出し、ひいては子どもの人生決定において、自分の意見を優先させようとする。
これは、親にこういう態度を許しているご本人にも問題があります。

ただ、どうしても気になってしまう、というのも親心でしょう。親御さんは、ご自身が産み育てたご本人を信じ、私の子なのだから、きっと、人生で正しい判断をするに違いない、と信じて、一歩引いて差し上げてください。それがご本人のためです。またそうでないとあとあと、お子さんとの間にトラブルが生じかねません。
あのとき、自分は本当は離婚したくなかったのに、お母さんがうるさく言って離婚させたんじゃないか!こうなったのはお母さんのせいだ!というたぐいの喧嘩は、しばしば発生します。そしてそうなると、親子間の亀裂は、決定的になってしまいます。それは、避けた方が良いことです。

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