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コラム

労働問題

労働問題の増加

労働問題の増加

ここ2か月ほど、労働事件のご相談が、増えてきました。
当事務所は、労働者側のご相談も、使用者(会社)側のご相談もお受けしますが、いまの体感だと、労働者側のご相談が増えてきたな、と感じています。

「解雇」という言葉が、会社側からはっきりと言われずに「もう来なくていい」「やめてもらう」などと言われたとき、多くの方は「これって…クビ…なのかな?違うのかな?」と考え、とりあえず出勤しなくなり、そのままずるずると会社を辞める…というケースが多々あります。これは、とてももったいない。

法的に「解雇」が認められる要件というのは実は非常に厳しいのです。多くの事案において、本当に裁判でも十分に解雇が認められるような、ちゃんとした解雇事由はありません。
それでも、会社側は辞めてほしい。そうなると、労働者側としては、「本来、やめさせることはできないのに、やめてほしい、というのであれば、それ相当のカネを払え」という交渉をするか、「意地でもやめない。ここで働き続ける」という選択をするかになります。
しかし、後者はあまりお勧めしません。その理由は、たとえ会社に居続けることが法的に可能であるとしても、会社での居心地が極端に悪くなり、自発的に退職に追い込まれることもあり、ご本人にとって幸せな選択ではない。というのもありますが、それだけではありません。
ある会社が、勤務態度がいまいちなAさんをやめさせたい、と考えたとします。そんなとき、Aさんが無断遅刻してきた。会社としては「Aさん、また遅刻ですか。この間も遅刻しましたよね。その前は、お客さんからも苦情きていたし。もう、辞めてください。明日から、来なくていいですから」と言って、Aさんに私物を整理させ、社員証も返還してもらって、会社から帰したとします。
これは、まあ、不当な解雇です。裁判で争い、Aさんが勝ち、無事にAさんが会社に復帰した。すると会社はどう出るか。今度こそ「正しい」やり方でAさんをやめさせようとするでしょう。
つまり、Aさんが何かちょっとしたミスするたびに「厳重注意」をし、これを何回か続けたら次は「戒告」、次は閑職へ降格し、と、ちびちびちびちびと、Aさんのミスを指摘することを繰り返し、「これだけ何回もミスし、これだけ何回も注意したのに治らなかったのですから、もう解雇しかないですよね」という状況を作り上げていきます。
この状況は、Aさんにとってつらいだけでなく、会社のやり方次第によっては、本当に解雇が認められてしまうことにもなり得ます。

頑張って職場に戻っても、こういう結論が待っている、のであれば、もう、ある程度のカネをもらってやめた方がいいのではないか、というのが私の考えです。
じゃあ、ある程度のカネって、どの程度でしょうか。
ここからが、弁護士の腕の見せ所ですが、私は、まあ、給与6か月分から12か月分までの間くらいのカネがもらえれば、いいなと思っています。いつも、これくらいとれるわけではありませんよ。ただ、これくらい貰えて、できれば社保とかにもある程度入れてもらえれば、ご本人も精神的な余裕をもって転職活動ができます。いい、再スタートが切れると思うのです。
一方、会社側をやるときには、当たり前ですが給与6か月分などとんでもない、というスタンスになります。この場合に、いかに出費を極少に抑えるか、というのも、また、いろいろなやり方があります。この点は、それぞれの弁護士が、失敗経験、成功体験を積み重ねていろんな方法を編み出しているわけで、「こうすれば●か月分で辞めさせられる」という、メソッドがあるものでもありません。

ただ、労働者側をやるにせよ、使用者側をやるにせよ、とても大事な、忘れてはならない点があります。
それは「強気で臨むこと」です。
強気で臨めば勝てるってもんでもないですし、どんなに強気で臨んだって、「辞めてやるから給与2年分をよこせ」とか、そういう、いわゆる相場を外れた主張は通りません。
ただ、こと、労働事件に関しては、心理戦の一面が、相当、あると思っています。私も、当然の主張をしているだけなのに、「はあ?先生、そんなご主張が通ると本気で思ってるんですか?」などと相手の弁護士に言われることもあります。そういうときに、たじたじとしていてはいけません。
交渉は、相場の範囲内で、強気で臨みましょう。そして、会社も、労働者側も、いい再スタートを切れることを願っています。

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