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コラム

借金問題

裁判所から執行文が届いたら!?

執行文

裁判所から突然、「執行文」と題する書面が届いた!ということがあります。裁判所からの封筒が届いただけでもビックリなのに、中を見てみると、「執行文」だけが入っていて、何の説明もなく、一体これから何がおこるのかまったく分かりません。これは一体何なのでしょうか、そして、これから何が起こるのでしょうか?


執行文とはなにか?

そもそも、この「執行文」とは何なのでしょうか?判決とは違うのでしょうか?結論から言うと、判決とは違います。執行文を読んでもおわかりの通り、執行文には「金を払え」などとはひと言も書かれていません。

執行文というのは、ある債権者が裁判で勝って判決を得たときに、「その判決を使って強制執行していいですよ」ということを示す文章です。

これだけ見ると、「判決をとったんだから当然強制執行できるのではないか」と思われるかもしれません。しかし、例えば、富士銀行がお金を貸して、Aさんに対して判決をとったとき、みずほ銀行が強制執行していいのでしょうか?「みずほ銀行は昔の富士銀行なんだから当然いいだろう」と思うかもしれませんが、そもそも「富士銀行っていまのみずほ銀行なんだっけ」と悩む人も(あるいはそもそも「富士銀行」を知らない方も)おられるのではないでしょうか。

あるいは、埼玉銀行に対して「お金を返せ」という判決をとったとして、その人はりそな銀行に対して強制執行できるでしょうか。結論としてはもちろんできるのですが、「埼玉銀行が共和埼玉銀行になってそのあとりそな銀行になった」という流れを覚えていないと、埼玉銀行に対する判決だけ持っていても分かりません。

もちろん、メガバンクであれば皆さんそれなりに記憶しているでしょうが、マイナーな会社が合併したりした場合には分かりません。そこで、裁判所は判決文に「執行文」というものをくっつけて、強制執行していいよ、ということを示すのです。

今多く見られるのは、かつて武富士だった株式会社日本保証や、かつて株式会社ライフだったアイフル株式会社などからの承継執行文です。日本保証やアイフルから借りた覚えがない方でも、武富士やライフカードから借りた記憶があるかもしれません。


そもそも借金はいくら?

すでに書いたとおり、裁判所から届いた封筒の中身(執行文)を見ても、自分がいつ裁判をやって、いつ判決をとられて、今自分一体いくら借金しているのか分かりません。

では、どうすれば金額は分かるのでしょうか?

……結論として、業者に聞くしかありません。裁判所から届いた執行文には、債権者の代表番号が記載されていますので、そこに電話をして、自分の借金額を尋ねることになります。多くの場合、借りた金額に利息が上乗せされていますので、借りた金額よりも高額になっています。

もちろん、金額は債権者が主張する金額ですから、判決から10年以上経過して消滅時効にかかっていても、債権者は教えてくれないでしょう(判決を受けた場合、消滅時効はどんな会社でも5年ではなく10年です)。この点には注意してください。


執行文が届いたらどうなるのか?

執行文は、あくまで「強制執行してもいいよ」というサインです。執行文を取得したとしても、直ちに強制執行するかは別問題です。債権者は強制執行してもいいですし、しなくてもかまいません。

今の法制度では、たとえば預金の差し押さえをするためには銀行名だけでなく支店名も知らないといけないので、ゆうちょ銀行以外の銀行に対する強制執行をするのは面倒です。そのため、執行文が届いてもなにもおきない、という方も多く見られます。あるいは、「郵便局に口座がないのにゆうちょ銀行への差し押さえ通知が届いた」という方もおられます。

ですから、これをそのまま放置しても、なにもおこらない人もいます。もちろん、銀行口座を差し押さえられた!という方もおられます。これは裁判で負けて(あるいは欠席して)判決をとられている以上、やむを得ないことです。

いきなり強制執行されないためには、弁護士や司法書士づてで、あるいは直接債権者に電話して、状況の確認や今後の支払いについて協議・相談する必要があります。


債務整理(話し合いでの解決)は可能か?

結論からいえば、多くの場合、可能です(毎月いくら払えるかにもよりますが……)。

執行文を取得する債権者も、執行文が家に届いた債務者が電話をしてきたり、あるいは弁護士や司法書士に相談に行くことを期待しているのだと考えられます。

そのままでは債務の金額が分からないのでなかなか対処が難しいですが、金額を確認した上で、今の収入状況や生活状況をふまえて、どのように行動するのかを考えるのが肝心です。

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