2026.6.29 ネット被害
ネット誹謗中傷の削除や開示にかかる弁護士費用の相場は?

費用が見えないから動けない方へ
SNSや匿名掲示板で自分への誹謗中傷を見つけ、弁護士への相談を考えても、「費用がいくらかかるのか分からない」という理由で立ち止まってしまう方は少なくありません。総額の見通しが立たないまま依頼へ進むのは誰にとっても不安ですし、見積もりを見ても、比べる基準がなければ高いのか安いのかも判断しにくいものです。
弁護士費用は各事務所が独自に定めているため、全国一律の料金表はありません。ただ、削除請求、発信者情報開示、損害賠償請求という手続きごとの費用の構造を知っておくと、見積もりの内容を理解しやすくなり、予算に合わせた進め方も考えやすくなります。
この記事では、ネット誹謗中傷への対応にかかる弁護士費用の内訳、手続き別の一般的な目安、費用を抑えるための考え方と依頼前の確認ポイントを解説します。
金額はあくまで一般的な目安です
本記事で紹介する金額は一般的な目安としての幅であり、事務所の料金体系、投稿やサイトの数、相手方の対応、裁判手続の要否などによって変わります。実際の費用は、相談時の見積もりで確認してください。
ネット誹謗中傷の弁護士費用の内訳
「何に対する費用か」を分けて考えると、見積もりが読みやすくなります。
弁護士費用は、大きく相談料、着手金、報酬金、実費・日当に分かれます。同じ「投稿を消したい」という依頼でも、どの項目がいくらに設定されているかは事務所ごとに異なるため、まず各項目の意味を押さえておきましょう。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談料 | 依頼前の法律相談にかかる費用です。時間制の事務所もあれば、初回無料の事務所もあります。 |
| 着手金 | 依頼時に支払う費用で、結果にかかわらず原則として返金されません。手続きごとに設定されることが一般的です。 |
| 報酬金 | 削除や開示が認められた場合など、結果に応じて支払う費用です。 |
| 実費・日当 | 裁判所に納める手数料や予納金、郵送費、出張が必要な場合の日当などです。弁護士報酬とは別にかかります。 |
同じ手続きでも、対象の投稿やサイトの数が多い場合、相手が任意の対応に応じず裁判手続が必要になる場合、サイト運営者が海外事業者で書類の準備に手間がかかる場合などは、費用が高くなる傾向があります。
手続き別にみる弁護士費用の一般的な目安
削除・開示・損害賠償の三つに分けると、費用の全体像がつかめます。
ネット誹謗中傷への対応は、投稿を消す「削除請求」、投稿者を特定する「発信者情報開示」、特定した相手に慰謝料などを求める「損害賠償請求」に大きく分かれます。それぞれに裁判外の任意の対応と、裁判所を利用する手続きがあり、一般に裁判手続の方が費用は高くなる傾向があります。
手続き別の費用構造の目安
| 手続き | 裁判外の対応(目安) | 裁判手続(目安) |
|---|---|---|
| 削除請求 | 着手金5万〜20万円程度、報酬金5万〜15万円程度 | 着手金20万〜30万円程度、報酬金15万〜30万円程度 |
| 発信者情報開示 | 着手金5万〜20万円程度、報酬金10万〜20万円程度 | 着手金20万〜30万円程度、報酬金15万〜30万円程度 |
| 損害賠償請求 | 着手金10万〜20万円程度、報酬金は回収額の10〜20%程度 | 着手金20万〜30万円程度、報酬金は回収額の10〜20%程度 |
このほか、裁判手続では裁判所に納める手数料などの実費が別にかかります。投稿者の特定では、サイト運営者から通信記録の開示を受けた後、接続プロバイダへ改めて開示を求めるという二段階になることがあり、関わる手続きが増えるほど合計額も大きくなります。なお、発信者情報開示には裁判所の決定により開示を求める発信者情報開示命令という手続きもあり、どの方法が適しているかは投稿の内容やサイトの種類、残っている証拠によって変わります。
費用で迷っている間に記録が消えることがあります
投稿者の特定に必要な通信記録は、一定期間で消去されることが多いとされています。費用面で迷いがある場合も、スクリーンショットなどの証拠保存と相談だけは早めに進めておくと、選択肢を残しやすくなります。
費用を抑える考え方と依頼前の確認ポイント
すべての手続きを最初から行う必要はありません。
費用の不安を小さくする出発点は、目的の優先順位を決めることです。「とにかく投稿を消したい」のか、「投稿者を特定して責任を問いたい」のかで、必要な手続きと費用は大きく変わります。削除だけで目的を果たせるなら、開示や損害賠償まで進めないという選択も十分あり得ます。
費用を抑えるための考え方
- 目的の優先順位を決め、必要な手続きから段階的に進めます。
- 各段階の結果を見てから、次へ進むかどうかを判断します。
- 見積もりで着手金、報酬金、実費の範囲と追加費用の条件を確認します。
- 収入などの条件によっては、法テラスの民事法律扶助(弁護士費用の立替制度)を利用できる場合があります。
なお、損害賠償請求では弁護士費用の一部が賠償として認められる場合もありますが、かかった費用の全額を相手から回収できるとは限りません。賠償金で費用をまかなう前提ではなく、目的に見合う負担かどうかという視点で考える方が現実的です。
相談で見通しを確認する
投稿のURLやスクリーンショットなどの証拠を持参し、取り得る手続きの選択肢、費用の概算、解決までの期間の目安を確認します。
見積もりの内訳を確認する
着手金と報酬金の金額、実費の範囲、対象となる投稿やサイトの数、追加費用が発生する条件を確認します。
支払い方法を相談する
一括での支払いが難しい場合は、分割払いに対応してもらえるかを依頼前に相談しておきます。
新都心法律事務所では、初回相談を無料とし、弁護士費用の分割払いについても相談が可能です。ネット被害の対応にかかる具体的な費用は事案の内容によって変わるため、相談時に見積もりとあわせてご確認ください。費用の考え方は弁護士費用のページでも案内しています。
まとめ
ネット誹謗中傷の弁護士費用は、削除請求、発信者情報開示、損害賠償請求のどこまでを行うか、裁判手続が必要かによって変わります。金額は一般的な目安にとどまるため、目的の優先順位を整理し、見積もりで内訳を確認しながら段階的に進めることが、費用の不安を小さくする近道です。
よくある質問
相談だけで依頼しなかった場合も費用はかかりますか?
相談料の扱いは事務所によって異なります。新都心法律事務所では初回相談は無料で、相談のみのご利用も可能です。
削除と開示を両方依頼すると費用は単純に2倍になりますか?
手続きごとに着手金や報酬金が設定されることが多いため合計額は増えますが、料金体系は事務所により異なります。見積もりで総額を確認しましょう。
かかった弁護士費用は投稿者に請求できますか?
損害賠償請求の中で弁護士費用の一部が認められる場合がありますが、全額の回収が難しいこともあります。事案によって異なるため、見通しは相談時に確認してください。
匿名の投稿でも相手を特定できますか?
通信記録が残っているかどうかなどの事情で変わるため、一概にはいえません。記録は時間の経過で消えることがあるため、早めの証拠保存と相談が大切です。
費用倒れが心配なときはどうすればよいですか?
目的を整理し、削除請求のみに絞るなど依頼範囲を限定する方法もあります。費用と得られる結果のバランスを、見積もりの段階で確認しましょう。
弁護士費用の分割払いはできますか?
新都心法律事務所では分割払いのご相談が可能です。支払い方法に不安がある場合は、依頼前にお伝えください。
誹謗中傷への対応費用は、最初からすべてが確定するものではありませんが、内訳と手続きごとの構造を知っておけば、見積もりを比べて判断しやすくなります。費用が不安だからこそ、まず相談で見通しを確かめることから始めてみてください。
新都心法律事務所では、初回相談無料でネット被害のご相談に対応しています。事前予約により日曜・夜間の相談も可能です。

