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コラム

法律相談

新宿のぼったくりについて

新宿のぼったくりについて

当事務所は、新宿という場所柄か、よく、「ぼったくりにあったのだけれども…」というご相談があります。
先に結論を申し上げてしまうと、ぼったくりにあった翌日に、法律事務所にお電話いただいても、カネが戻ってくることはほぼほぼありません。
現実問題として取り戻すのが難しいだけではなく、理屈上も、これ、勝ち目はなかなか低いのです。

ぼったくり、で多いケースは、男性が女性と知り合う(特に、マッチングアプリなどを通じて知り合う)→飲みに行く→女性が「このお店はどう?」などと声をかけた店に入る→飲む→会計が超高額→財布に金がない→カードで支払う、または、コンビニで金を卸してきて支払う。というものですが、

まず、ご自身で、カードの暗証番号を入力されている時点で、「納得して自分の意思で支払いをした」と言わざるを得ません。コンビニで降ろしている場合にはなおさらです。ご自身でコンビニまで歩いていって、カネを卸してまで払っているのですから、当然、ご自身で納得しておられたのでしょう。ということになってしまいます、法律上は。

もちろんそれまでに、「金を払わないなら警察を呼ぶ」「怖い人を呼ぶ」「払うまで帰さない」
と、凄まれたり、脅されたりしているわけですけれども、それならその時点で110番するなり、あるいは、外に出た時点で誰かに助けを求めるなどすればいいわけで、それをせずに、払ってしまったら、ほぼ、どうしようもありません。どれだけしぶしぶであっても、不本意であっても、です。

なので、大事なのは、①そもそもぼったくりの店に行かないこと、そして、②ぼったくられそうになったら、絶対に払わない。支払う前に、外部に助けを求めること。です。

① についていうと、まず、「アプリで知り合った女の子」と、のこのこ飲みに行き、女の子が提案した店に入る、というのは、これはもう、「ぼったくられるためにここに来ました」という看板を下げてあるいているのと同じです。
「アプリで知り合った女の子」と、飲みに行くなとは言いません。ただ、アプリで知り合った、というのは、実際のところ何も知らない相手なわけで、相手が美人局だろうが、やくざの女だろうが、まったく調べもつけずに行くわけです。なので、そういう相手と飲みに行くならば、危険があることは承知しておいてほしいですし、飲みに行くなら、ご自身で事前に調べた店にしてください。
② については、納得のいかないものは払わない。社会人としてかなり当たり前のことですが、実際にはなかなか難しいこともあります。
高すぎないか??と思ったら、冷静に、伝票を見せてもらい、金額を確認できないなら、払う必要はありません。何事にせよ、いったん払ってしまったカネを取り戻すというのは、これはかなり難儀な話です。皆さん、「何としてでも取り戻したい」と仰いますが、そんな大事な金なら最初から払わないのが一番です。

そして最後に。飲みに行くと、多くの人間は正しい判断ができなくなります。恐怖を過大に感じたり、あるいは、気が大きくなって過少に感じたりします。
また、ちょっとした抵抗や、判断が、めんどくさくなりますし、警戒心も、注意力が落ちます。

つまり、カネを払いやすい、危険な状態になっているわけです。そして、あなたをそういう状態にいざなう相手っていうのは、まあ、そういう状態のアナタをうまく利用としているからこそ、いざなうわけです。
その誘いにのるってのは、もう、襲ってください、と言っているのとほぼ同じです。

十分ご注意ください。警察も弁護士も法律も、魔法の杖ではありません。誰に頼んだって、取り返せないものは取り返せない、という場合があります。
そして、そういう場合、というのは、実は結構、多いのです。

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